そんな時、宗弘は一躍檜舞台に立つ事になる・・・いや、引っ張り上げられたと言うのが本当だろう。
 第一次南極観測隊員に選抜され、佐伯富男、安治、昭治、栄治と共に南極観測に参加することになったのだ。
 この時期の南極観測は、全国民が注視する一大国家事業だった。
 昭和31年、芦峅寺の立山雄山神社祈願殿前で執り行われた歓送会。
 戸数わずか150戸、人口千人にも足らぬ(当時)この山村から、この一大国家事業に、五名もの観測隊員を出したのだから
当時の村の大騒ぎは凄かった。
 壇上右より、栄治(宗弘の従弟、栄作の長男)、昭治、富男、安治(文蔵の弟)、宗弘の立山五人組。

 

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