「そうか、君が宗作さんの息子か。」とかつての名ガイド宗作のお客様だった方々も又、立山ガイド宗弘を可愛がって くれた。しかし父宗作の名ガイドとしての名は、若い宗弘には重荷となることも再三だった。 特に宗作を良く知る立山ガイドの先輩たちは、「こら宗弘、おまえなど親爺と比べたら小指の値打ちもない。」と宗弘 を叱った。それが宗弘には応えた・・・。 「偉すぎて越せぬ父を持つのは大変なことだった。」とは父宗弘の述懐である。 昭和25年頃ガイド修行中の宗弘。