親爺のずぼら料理帳     No.55  秋刀魚の佃煮    2013/10/10  掲載 

材  料  秋刀魚、生姜、梅干し
調味料   醤油、砂糖、みりん、酒、水飴、酢

 宮城県名取市のFさんが、この秋も見事な秋刀魚を送って下さった。名取市と言えば、先の東北の大震災で大きな被害を受けた所で、あの時は親爺もオカカも自分たちの無力さをイヤと言うほど痛感したものだった・・・。
 Fさんは幸いご無事だったが、あの震災の爪痕は今なお生々しい。そんな辛い環境に居られながら、親爺に毎年のように秋刀魚を送って下さるFさん、本当に有り難うございます・・・。
 今年も、山にいた親爺に代わって、オカカがご近所へお裾分けし、塩焼きで秋の味覚を堪能した。そして親爺にはきれいに調理し冷凍して、佃煮用に保存しておいてくれた。
 そこで、今日親爺はこれを佃煮に煮揚げることにした・・・。
 冷凍になってもその生きの良さが解る、ぴかぴかの秋刀魚。
              
 凍ったままの秋刀魚を、圧力鍋に移し、さっと水をかけて霜を落とす。そこへ、砂糖、梅干し、生姜の細切り、醤油で、やや薄めの味をつけきっちり蓋をして火にかける。
 シュシュッと、蒸気を吹き始めたらやや弱火にして20〜30分煮込み、その後火を止め、15分も放置してから蓋を開け・・・・・
  
 この後、煮汁が煮詰まるまで蓋を開けたまま弱火で煮るのだが、ここで味を調え、水飴と酢も加え煮詰めて行く。
 煮汁が無くなったら火を止めそのまま馴染ませる。
 可成り柔らかく煮上がっているので、いじりすぎると折角の身が崩れてしまうので注意・・・。
            
  煮上がった佃煮は水飴で照りが出て、甘みも砂糖だけよりはマイルドになる。素材の良さが素晴らしいので、この佃煮は3日ほどであっと言う間になくなってしまう程美味い。
 しっとりと脂ののった身は舌にとろけ、骨も全く口中に触らず柔らかく煮えており、生姜とかすかな梅の香りを纏った秋刀魚はまさに秋の味覚の王者としてその精彩を、濃い醤油味の中にも失わぬのだ。
 いや美味い。「日本人に生まれて良かった!」なのだ。
   

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