親爺のずぼら料理帳     No.32   教え子バンダリーの貧乏なカゥリー      2013/ 1/25  掲載

材  料  鶏肉、玉ねぎ、ジャガイモ、にんにく、生姜、唐辛子、ターメリック、クミン、好みのマサラ(無くてもOK )
調味料   塩、コショウ、サラダ油

 親爺が未だ勤め人で、ネパール支店を担当していた頃のネパール人研修生は殆どがシェルパだったが、ネパール政府推薦枠などと言うのがあって、他の種族も何人か居た。バンダリーはそんな中の一人で、ブラーマンと呼ばれる、アーリア系の種族だったが、温厚でのんびりした人柄が誰からも好かれた。親爺がリタイアしてからも「センセーワタシヲワスレナイデネ。」と全く下手な日本語で、電話連絡をくれ(会話は殆ど通じないが気持ちが通じる男だ・・・。)何度か日本へも招待し、剱御前小舎で居候させ夏を一緒にすごしたりしている。剱御前小舎でもスタッフと仲が良く、手伝いもしてくれるし、たまには料理も作ってくれるのでますますみんなから好かれ、バンダリーの片言日本語での解説付きでいただく料理は、素晴らしく美味い。「このカレー(バンダリーの発音ではカゥリー)は、ビンボートキノカゥリー」だそうで、しかし美味いのだ。
 材料を切っておき、鶏にはマサラをまぶして置き・・・・・
           
 フライパンで先ずにんにくを炒める。バンダリーがやると、山小屋中にフライドガーリックの臭いが漂うほど、大量に、ゆっくり丁寧にきつね色になるまでやるが、まぁ、ほどほどに。で、マサラをまぶした鶏肉は(マサラがなければカレー粉でもOKだし、まぶさなくても良い)炒めず、鍋に張った水に入れ、火にかける。この時生にんにくをスライスして加え、生姜もみじん切りか、すり下ろして加える。      
 フライパンのにんにくがきつね色になれば、玉ねぎを加え、ジャガイモも加え炒め合わせる。この時唐辛子も一本ほど刻んで加え、炒め合わせるが、辛みの調整はこの唐辛子で行うので、好みのままに調整。
 この後、香辛料はターメリックとクミンだけを使う。
                
 煮て置いた鶏肉の鍋からスープをすくいとり、フライパンに入れ、うまみ全てを洗い取って、鶏スープの鍋にもどす。
 鶏や玉ねぎ、ジャガイモの煮え具合を見て、クミンとターメリックを加え、塩で味を調える。
 何時も塩辛くなることを警戒しすぎて、はっきりしない薄味になるが、ここは腹を据えてやや塩から目に味を調える。最期におろしにんにくを加え、仕上げとする。
 茹でたにんにく、炒めたにんにく、そして最期に加えるおろしにんにくで、この三つが揃うと不思議とバンダリーの味がよみがえる・・・・・。 
  
 皿に盛ってさて喰おうとしても、なるほど余り贅沢なごちそうではないが、これはご飯が無い状態だからで、これを飯にかけて喰うと、見た目はビンボーなのだが、非常に奥深い豊かな味で、親爺や心平などはこれに唐辛子を大量に加えた激辛にして喰うのが大好きである。
 これは他ではなかなかお目にかかれぬ、バンダリーのビンボーカゥリーで、この味が好きなら、ネパールヒマラヤの奥地のバッティー(茶店)の現地食のみでも十分に満足できるだろう・・・。
 
          

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