親爺のずぼら料理帳     No.26    冬だけの定番イカの塩辛    2013/1/11 掲載

材  料 生きの良いキトキト(富山の方言で、鮮度の高い生き生きした様を表す)のイカ
調味料  塩、その他、日本酒、醤油、塩麹、柚等々 

 先ずはこんな生きの良いイカを買い込む。富山では割と簡単に手に入り、「朝どれ」のラベルが貼ってある。まぁ、別にそんなものを張らずとも、そのキトキトぶりは見たら判る。キトキト過ぎて捌くときに足の吸盤が手に吸い付く・・・。包丁で胴体をまっすぐ縦に裂く。これだけを塩漬けにして喰っても美味いと言われるキモがはいっている。イカを裂くときこのキモに傷をつけぬようご用心。    
 さて、大切なキモを取り出し、これに塩をまぶしておく。この一手間で水っぽさが抜け味が濃くなるのだ。身の方は塩からになったときに食べやすいと思われる大きさに細切りしてこれにも少し塩をまぶしておく。          
 塩をまぶしたイカの切り身はザルに空け、やはり塩をまぶしておいたキモと一緒に半日以上放置しておく。もちろん真冬の、暖房のない部屋に置くのが一番宜しく、冷蔵庫でも良いが、寒の中の自然な気温の方が冷蔵庫より良いような気がする。
 で、半日放置するとキモは幾分縮み、ザルの底に敷いた皿には水が少し貯まっているはずだ。いよいよ仕込みだが、この塩辛を入れる蓋付きの容器を用意する。親爺は百均で、手頃な壺(恐らくとんかつ屋などに良くあるソース壺)を見つけて愛用している。
        
 キモを開いて中のミソをこそげ取り、イカの切り身を入れた壺にそのミソを加え・・・・・ (この時にイカスミを入れても良いが、黒作りには更に多くのイカスミが要るので、親爺は入れない)   
 身とミソを良く混ぜ合わせる。この時、味を確かめ(少し舐めてみる。新鮮で刺身で喰える食材なので、ミソも全く生臭くはない。)塩の他に日本酒やら、塩麹やら、醤油やらと好きなように加えると良い。これが発酵熟成してどんな味になるかを想像しながら混ぜ合わせるのだ。料理には想像力が必要とは、けだし名言。自分の勘を信じいろいろやってみればよい。但し柚はこの時点では加えぬ方が無難。苦くなるからだが、苦みも大いに結構という向きはどうぞご随意に・・・。親爺は赤唐辛子の細い輪切りを加えたくて仕方ないが、辛みが苦手なオカカがこれをさせない・・・・・。    
 さて、これで出来上がりである・・・・・いや、仕込みが終わったという意味だ。これからじっくり、最低でも約1週間寝かせる。蓋をした壺は、真冬でも、暖房を入れることの無い部屋、例えば縁側などに置いておく。でも凍らせると面白くないので、ご注意の程。二日に一度くらい、様子を身がてら蓋を取り、かき混ぜてやると良い。そのとき少し味見をするのもかまわないが、親爺など1/3はその味見で減らすので、非常に美味しくなってさて食べようと云う時にはずいぶん目減りしていることが多い。
 この塩からは、我が家の冬の定番で、本当に美味いのだ。
             


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